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マンション購入者の平均年齢・年収は?年代別のメリット・デメリットを解説

マンションの購入を決めるには、資金計画だけでなく年齢も重要な要素となります。
今回は国土交通省住宅局から平成31年3月に公表された「平成30年度住宅市場動向調査報告書」をもとに、マンション購入者の平均年齢や年収などのデータを紹介します。
さらにマンション購入における年代別のメリット、デメリットを解説し、マンション購入に適した年齢を考察します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

マンション購入者の平均年齢

国土交通省の「平成30年度住宅市場動向調査報告書」では、マンション購入者の平均年齢は分譲マンションで42.7歳、中古マンションで46.0歳となっています。

「平成30年度住宅市場動向調査報告書」は、世帯主がマンションの購入者であると仮定して、世帯主の年齢調査を行っています。

初めて購入したのは30代、2回目以降は60代

初めての購入者(一次取得者)と2回目以降の購入者(二次取得者)の年代をみると、分譲マンション、中古マンションともに一次取得者は30代が最も多く、二次取得者は60代が最も多い結果となっています。

分譲マンション 中古マンション
一次取得者のうち30代が占める割合 60.0% 36.8%
二次取得者のうち60代が占める割合 40.5% 41.3%

参考:平成30年度住宅市場動向調査報告書

一次取得者のうち30代の占める割合が最も大きい理由は、ライフプランを考えるなかで住宅需要が最も高まる時期であるからだと考えられます。
また長期の住宅ローンを組みやすい年代ともいえるでしょう。

一方、二次取得者のうち60代の占める割合が最も大きいのは、定年退職などでライフスタイルに大きな変化を迎える時期だからと考えられます。
定年退職を機会に、住み替えの検討をされる方が多い傾向が見られます。

マンション購入者の平均年収

分譲マンション、中古マンションの購入者、一次取得者、二次取得者の平均年収(平均世帯年収)は下記のとおりです。

分譲マンション 中古マンション
平均世帯年収 840万円 715万円
一次取得者の平均世帯年収 838万円 672万円
二次取得者の平均世帯年収 848万円 758万円

参考:平成30年度住宅市場動向調査報告書

一般的に分譲マンションのほうが中古マンションよりも高額になることから、平均世帯年収は分譲マンションのほうが高くなります。

分譲マンション、中古マンションともに一次取得者よりも二次取得者の平均世帯年収が高くなりますが、中古マンションではその差が大きくなっています。

住宅ローンの平均借入額

マンション購入に際しては、フラット35や民間金融機関などが提供する住宅ローンを利用するのが一般的といわれています。

平成30年度住宅市場動向調査報告書によると、分譲マンション、中古マンションのどちらも半数以上の人が住宅ローンを利用していることがわかります。

住宅ローンの有無

分譲マンション 中古マンション
住宅ローンあり 68.1% 54.1%
住宅ローンなし 18.1% 23.1%
無回答 13.8% 22.8%

参考:平成30年度住宅市場動向調査報告書

平均借入金と自己資金比率

分譲マンション 中古マンション
全体 一次取得者 二次取得者 全体 一次取得者 二次取得者
借入金(万円) 3,017 3,320 2,014 1,629 1,837 947
購入資金(万円) 4,577 4,581 4,564 2,819 2,647 2,734
自己資金比率 34.1% 27.5% 55.9% 42.2% 30.6% 65.4%

参考:平成30年度住宅市場動向調査報告書

一般的に中古マンションのほうが、新築の分譲マンションと比較して安くなるのが理由のひとつとして考えられます。
また自己資金比率が分譲マンションでは34.1%に対して、中古マンションでは42.2%であることから、中古マンションの購入者は借り入れを抑える傾向があるといえるでしょう。

またマンション2次取得者は、自己資金率が高いこともわかります。
2次取得者の年齢層が60代が多く、長期での住宅ローンが組みにくいのも理由のひとつと考えられます。

マンション購入は何歳がベスト?年齢別のメリット・デメリット

多額の資金が必要となるマンションの購入に、ベストな年齢はあるのでしょうか。
20~30代、40~50代、60代の3つに分けて、それぞれの年代のメリット・デメリットを解説します。

20~30代でのマンション購入

20~30代はサラリーマンであれば入社して10年前後が経過する時期です。
結婚、出産など今後発生するライフイベントも多く、子供の養育、老後の生活など長期的な将来設計を考えながらマンション購入を検討する人が多いでしょう。

【20~30代】メリット

20~30代にマンションを購入するメリットとして、長期の住宅ローンを組みやすいことがあげられます。
仮に30歳で返済期間35年のローンを組んだとすると、65歳にローンの返済が完了する予定です。
資金の余裕が出てくる60歳前後には、前倒しで返済完了をする方も多いでしょう。

返済が完了したマンションは自由に売却できますし、賃貸にすることで収益物件にもなります。
ローンを完済する60代前後での住み替えも視野に入れた購入タイミングといえます。

【20~30代】デメリット

一般的に20~30代は、資金的な余裕がなくマンション購入の頭金が少なくなるため、借入金が大きくなる傾向があります。
借入金額は年収に占める返済金額の割合による制約があります。
そのため思うような資金計画が立てられないケースも少なくありません。

勤務先の異動や転職、子供の教育費、結婚などライフイベントも多く、引越しの可能性もあります。

40~50代でのマンション購入

40~50代となると、老後の生活を見据えたマンション購入の検討時期となります。

【40~50代】メリット

40~50代となると、企業などでも重要な役職にある方が多くなり、収入も安定しはじめます。
資産形成もある程度できていることから、マンション購入の資金計画が立てやすくなるでしょう。

20~30代に比べると年収も高くなっている場合が多く、住宅ローンによる融資の審査が通りやすく、高額借入も可能となります。
自己資金を多く用意でき、余裕のある返済計画でマンション購入ができる世代といえます。

【40~50代】デメリット

収入が高くなる世代ですが、出費が増えるのもこの世代の特徴です。
子供のいる家庭では高校や大学などの教育費の負担が大きくなる傾向があります。

マンション購入後、遠からず子供の結婚、独立などにより家族構成が変わる可能性もあるので、間取りや広さは慎重に検討しましょう。

住宅ローンの完済時期を60代半ばとすると、返済期間は10~20年と短くなるため、月々の返済額は20〜30代での借入と比較して高くなる傾向があります。

60代以上でのマンション購入

子育てを終えた60代以上の世帯は、定年退職を迎えるなどして生活環境が大きく変わる時期です。
新しいライフスタイルにあった住まいを検討するには適切な時期といえます。

【60代以上】メリット

60代以上でのマンション購入のメリットは、自己資金を多く用意できることです。

所有している自宅を売却して住み替えを検討する場合は、貯蓄を崩すことなく売却金額だけでマンション購入が可能になるケースもあります。

住宅ローンを利用しなければローンの手続きは不要となり、利息を支払う必要もありません。

【60代以上】デメリット

60代以上でのデメリットは、住宅ローンを利用した資金計画が立てにくいことです。

多くの金融機関では借入時と完済時の上限年齢を定められていて、借入時65~69歳、完済時で75~80歳が目安となります。
収入だけでなく健康面で融資の審査に通らないケースもあります。

まとめ

それぞれの年代のメリットとデメリットをみてみると、住宅ローンの借入については若い世代が有利ですが、年齢層が高くなるに連れて年収が上がり、自己資金や自宅の住み替えなどで余裕が出てくるケースもあります。

マンション購入は資金計画だけで決まるものではなく、ライフスタイルや老後を見据えた検討も重要です。
各年代のメリット・デメリットを把握したうえで、自身のライフプランに合わせたマンションの購入を検討することが大切でしょう。

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