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シングルマザーのマンション購入|メリットや購入のポイントについて解説

マンション購入はシングルマザーにとって利点の大きな選択のひとつです。

しかし実際は、シングルマザーであるという理由から、マンションの購入を検討するとき、二の足を踏むことがあります。
「ローンが組めないのでは?」「購入後の返済が心配」といった不安があるからです。

この記事では、マンション購入をシングルマザーが検討する際のメリットや注意すべきポイントを紹介します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

シングルマザーもマンション購入は可能?

シングルマザーがマンションの購入に踏み切れない理由のひとつに「そもそも住宅ローンの審査が通らず購入できないのではないか」という懸念があげられます。
シングルマザーが住宅ローンを申し込んだ後の審査の基準と、借入可能な金額目安を見てみましょう。

シングルマザーでも住宅ローンは借りられる!

「シングルマザーは審査で不利になるのではないか」と誤解されやすいのですが、シングルマザーであること自体がローン審査でマイナス評価となる可能性は低いといえます。

住宅ローンの審査でチェックされるのは、あくまで借主の返済能力です。
シングルマザーであっても、十分に借入金を返済できると評価されれば住宅ローンを利用できます。

住宅ローンの審査でチェックされる主な項目を紹介します。
金融機関が設けている基準をクリアできれば、シングルマザーでも住宅ローンを借りることは可能です。

【住宅ローン審査の基準(一例)】

  • 借主の健康状態
  • 借入時と完済時の年齢
  • 担保(購入する不動産)の評価
  • 勤続年数
  • 現在の年収
  • 雇用形態

年収から見る借入額の目安

マンションの購入を検討する際は、自分の収入からマンションを購入できる価格を試算してみましょう。

住宅ローンは借入金額が大きく、返済期間も長期にわたります。
そのため、借入にあたっては収入と返済のバランスを考慮することが重要です。

一般的に、無理なく返済を続けるには返済負担率(年収に対する住宅ローンの年間返済額)を35%以内、安全圏であれば25%以内に収めることが望ましいとされています。
年収と毎月のローン返済額から、購入を検討できる物件の価格帯をおおまかに割り出すことが可能です。

ここからは、年収と購入可能な金額の目安を紹介します。

年収と購入可能なマンションの価格(返済負担率25%の場合)

※以下の前提で計算

  • 頭金250万円
  • 住宅ローン返済期間35年
  • 固定金利(元利均等返済)で金利1.3%
  • 管理費および修繕積立金23,000円
  • 購入時の諸経費含まず
年収 マンション購入価格
(1万円以下切り捨て)
毎月返済額
(管理費・修繕積立金を含んだ額)
300万円 2,340万円 6,2500円(85,500円)
350万円 2,710万円 7,2917円(95,917円)
400万円 3,4050万円 8,3333円(106,333円)
450万円 3,420万円 9,3750円(116,750円)
500万円 3,760万円 104,167円(127,167円)
550万円 4,130万円 114,583円(137,583円)

なお、収入は所得税や社会保険料などを控除した後の手取り金額で計算します。

シングルマザーのマンション購入はメリットが大きい

将来の生活を見据えたとき、シングルマザーのマンション購入は多くのメリットがあります。
具体例を見てみましょう。

自分の資産になる

マンション購入の最大の利点は、将来的に物件が自分の資産となることです。
自分の資産であれば、自分が亡くなったあと子供に相続できます。

一方賃貸の場合、住居はあくまでも借り物なので、いくら長期間住んでいたとしても、自分の所有物件になることはありません。

月々の家賃とローンの返済額が同程度であれば、自分の資産にできる分譲マンションの方がメリットが大きいこともあります。

ローンを完済すれば住居費の負担が軽くなる

ローン完済後の住居費の負担が大きく軽減されるのも、マンション購入のメリットといえます。

数十年先までの住居費を総合的に計算すると、マンションを購入した方が負担額の合計は小さくなるケースは少なくありません。
浮いた住居費を子供への資金援助などに活用することも可能です。

賃貸の場合、家賃負担は住んでいる限り発生するので、住居費の負担に大きな違いが出ます。

団体信用生命保険に加入できる

マンション購入の際、住宅ローンを借入れると「団体信用生命保険」に加入できます。

借主が万が一死亡したときなどに、残りのローン全額を金融機関が返済してくれる生命保険の一種で、シングルマザーにとってはメリットが大きいといえるでしょう。

賃貸物件に住んでいると、親に何かあれば子供は住むところを失ううえ、住居を財産として子供に残すこともできません。

団体信用生命保険に加入し、ローン負債のない物件を子供に残すことは「もしも」の備えとして選択肢のひとつといえます。

セキュリティ設備の整った住まいが手に入る

分譲マンションは、セキュリティが充実している傾向にあります。
数年で引っ越すこともある賃貸物件とは異なり、長期間の居住を想定しているためです。

賃貸でもセキュリティの高いマンションは存在しますが、その分家賃も高めに設定されています。
高い家賃を払い続けても自分の資産にならない点で「もったいない」と感じる方もいるかもしれません。

分譲マンションの一般的なセキュリティ設備としては、以下のようなものが代表的です。

【分譲マンションのセキュリティ設備(一例)】

  • 監視カメラ
  • オートロック
  • 顔の見えるインターホン

子供だけで留守番をする場面でも、セキュリティの充実した分譲マンションであれば比較的安心できます。

シングルマザーのマンション購入の注意点

シングルマザーにとってはメリットの大きいマンション購入ですが、注意点もあります。

マンションの維持費、修繕費がかかる

ローンを完済した後も、住居にかかる費用が0円になるわけではありません。
管理費や修繕費といったマンションの維持費用が別途発生するためです。
これらの費用はローン残債の有無に関係なく、マンションの持ち主全員が定期的に支払います。

購入を検討する際は、購入したいマンションの費用をチェックしてみましょう。
毎月の支出を維持費も含めてシミュレーションし、算出された額が収入に見合っているか確認しましょう。

売却しやすい物件を選ぶ

物件選びでは、売却時の需要も考慮して検討するようにしましょう。

シングルマザーは、再婚や親との同居などでライフスタイルが変化する可能性があります。
場合によっては、購入したマンションを手放さないといけなくなるかもしれません。

人生に起こる今後の変化を想定したとき、賃貸需要が高く投資家に人気の地域、エリアの需要に合わせた間取りなど、物件選びの条件にも工夫ができます。
条件の整った物件であれば、実際に手放すことになっても、早期かつ高額で売却できる可能性が高くなります。

まとめ

シングルマザーが住居を選ぶ際、マンションの購入は自分にも子供にもメリットの大きい選択肢の一つです。

「ローンの審査で不利になるのでは?」と心配される方もいますが、住宅ローンの審査の際、借主がシングルマザーであること自体が不利に働くことは少ないでしょう。

購入を検討する際は、売却しやすい物件を選ぶとライフスタイルの変化に合わせやすくなります。
また、自分の場合はどの価格帯のマンションを検討できるのか、ローン以外の維持費や修繕費なども合わせて、毎月の費用負担をシミュレーションしてみましょう。
(執筆者:いちはらまきを)

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