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中古マンション購入時の7つの注意点!失敗を防ぐためのポイントを解説

中古マンションは、生涯で何度も購入するものではないため、何に注意して選べば失敗を防げるのかわからない方がほとんどでしょう。

中古マンションは、築年数や管理状況、立地などに注意して選ぶことが大切です。
この記事では、中古マンションを購入するときに注意すべきポイントを詳しく解説します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

目次

中古マンション購入時の注意点1:築年数

中古マンション 購入 注意点

築年数によって価格や耐震性能が異なるため、マンションを検討するときには築年数をよく確認する必要があります。

中古マンションの価格は築年数の経過とともに下落する

マンションの価格は、築年数の経過とともに下がっていき、築20年を過ぎたあたりから下落が緩やかになります。

築浅のマンションは、内装や設備がきれいである反面、売却時に値崩れしやすくなります。
売却時に値崩れするリスクを抑えたい方は、築20年以上のマンションを検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、築年数や耐震性能によっては、住宅ローン控除の対象外となり、所得税や住民税の節税効果が得られなくなる可能性がある点に注意が必要です。

築年数が古いと耐震基準が劣る可能性がある

1981年6月1日より前に建築確認申請が受理された建物は、旧耐震基準が適用されており、震度5程度の地震にしか耐えられないといわれています。

一方で、建築確認申請が1981年6月1日以降に受理されていた場合、マンションには新耐震基準が適用されており、震度7強の地震が発生しても耐えられるように建てられています。

日本は、世界有数の地震大国です。
地震に対する不安を少しでも軽減したいのであれば、新耐震基準が適用されたマンションを購入するのがおすすめです。

中古マンション購入時の注意点2:管理状況

中古マンション 購入 注意点

中古マンションを検討するときは、管理状況や長期修繕計画などを必ず確認しましょう。
「マンションは管理を買え」といわれるほど、管理状況はマンションの資産価値に大きな影響を与えます。

管理状況は内覧時にチェックする

マンションの管理状況は、お部屋の内覧時に確認できます。
管理が行き届いているマンションほど、エントランスや駐車場、ゴミステーションなどが適切に清掃・メンテナンスされています。
また内覧時に外壁や廊下などを確認し、ヒビ割れや塗装の剥げがないか確認すると、マンションが適切に管理されているか判断しやすくなるでしょう。

長期修繕計画や修繕積立金の積立状況を確認する

マンションは築年数の経過とともに劣化していくため、10〜15年に1度のタイミングで大規模修繕が実施されるのが一般的です。
大規模修繕にかかる費用は、マンションの規模にもよりますが、数千万円ほどかかる場合があります。

そのためほとんどのマンションでは、修繕計画と修繕工事を実施するために積み立てる修繕積立金の額がまとめられた長期修繕計画が作成されています。
長期修繕計画に沿って修繕積立金が計画的に徴収されていないと、大規模修繕時に積立金額が不足し、修繕費用を一括徴収されるかもしれません。

中古マンションを検討する際は、築年数にかかわらず長期修繕計画やこれまでの修繕記録、修繕積立金の積立状況を確認しましょう。

中古マンション購入時の注意点3:立地

中古マンション 購入 注意点

立地は、マンションの資産価値や購入後の暮らしに大きな影響を与えます。
また立地は、購入後に変更できない要素であるため、検討する段階で入念に確認することが大切です。

資産価値が下がりにくい立地の物件を選ぶ

生涯にわたって住み続けると考えて中古マンションを購入しても、転職や子どもの進学など、ライフスタイルの変化によって住み替えを検討する可能性があります。
資産価値が下がりにくい中古マンションを選ぶと、住み替えが必要となった際にも、スムーズに買い手が見つかるでしょう。

一般的に駅から徒歩15分以内のマンションは、資産価値が高いといわれています。
最寄り駅がターミナル駅と直通である場合、マンションの資産価値は落ちにくいでしょう。

また将来的に開発が予定されているエリアは、人口の増加が期待できるため、資産価値が上昇する可能性があります。

市町村役場の担当課や不動産会社の担当者に、今後の開発状況を聞いたうえでマンションを購入するエリアを選ぶのもおすすめです。

快適に暮らせる立地を選ぶ

マンションを選ぶ際は、スーパーや学校、病院などの位置を確認し、ご自身や家族が快適に暮らせそうなエリアであるか考えることが大切です。

例えば小さな子どもがいる場合は、マンションの近くに公園や病院などがあるか確認すると良いでしょう。

近くに公園があれば、子どもを遊ばせやすいです。
子どもが病気やけがをしても、近くに病院があればすぐに診察してもらえるでしょう。

中古マンション購入時の注意点4:災害リスク

中古マンション 購入 注意点

災害リスクとは、マンションが地震や洪水などで被害に遭うリスクのことです。
災害リスクを確認せずにマンションを選んでしまうと、地震や洪水などで思わぬ損害が発生する恐れがあります。

また火災保険の補償内容を決めるときや地震保険に加入するか判断するときも、マンションの災害リスクを把握しておく必要があります。

災害リスクの確認方法

マンションの災害リスクのうち水害リスクについては「ハザードマップ」で確認できます。
ハザードマップは、自治体のホームページで確認が可能です。

またマンション購入時の重要事項説明時に、不動産会社の担当者(宅建業者)から物件の水害リスクについての説明があります。

地震のリスクについては、マンションの耐震性能を確認しましょう。
旧耐震基準で建てられたマンションよりも、新耐震基準で建てられたマンションのほうが、高い耐震性能を有しています。

中古マンション購入時の注意点5:契約

中古マンション 購入 注意点

中古マンションを購入するときは、売主と売買契約を結びます。

売買契約を結ぶときは、重要事項説明書の内容をよく確認することが大切です。
また、売主に支払う手付金の金額も事前に確認しておきましょう。

重要事項説明書は内容をしっかり理解する

不動産の取引では、宅地建物取引業者が重要事項説明書を用いて、契約上の重要な事項を細かく説明します。
一般的には、仲介する不動産会社の宅地建物取引士が、重要事項説明を行います。

重要事項説明書に記載されている内容は、大きく「取引物件に関する事項」と「取引条件に関する事項」に分けられます。

  • 物件の所在地・種類・構造・床面積
  • 登記された権利の種類
  • 法令に基づく制限の概要
  • 飲用水・電気・ガスの供給施設および排水施設の整備状況 など
  • 購入代金以外にかかるお金
  • 契約の解除に関する事項
  • 損害賠償額の予定または違約金に関する事項 など重要事項説明書の内容に合意したら、不動産売買契約書に署名と捺印をします。

売主と売買契約を結ぶときは、重要事項説明書をよく読んで記載内容を理解することが大切です。
不明点があれば、宅地建物取引業者に必ず確認しましょう。

契約締結時には手付金の支払いが必要

売買契約を締結するときは、売主に対して手付金を支払うのが一般的です。
手付金の金額は、物件取得価格の5〜10%が相場です。

例えばマンションの価格が3,000万円である場合、売買契約時に支払う手付金の相場は150万〜300万円となります。

売買契約を結んだあと、物件が引き渡されるまでの間に買主の都合で契約をキャンセルした場合、支払った手付金は戻ってきません。
また、売主の都合で契約がキャンセルされた場合は、手付金の2倍額が返還されます。
無事に売買が完了すれば、手付金は物件代金の一部に充当されます。

手付金は住宅ローンの借入額に含められないため、契約までにまとまった現金を用意しておく必要があります。

中古マンション購入時の注意点6:資金計画

中古マンション 購入 注意点

資金計画とは、マンション購入資金の調達方法や支払い方などの計画です。
中古マンションを購入するためには多額の資金が必要であるため、自己資金(頭金)と住宅ローンそれぞれで賄う割合を慎重に決める必要があります。

無理のない返済計画を立てる

住宅ローンの返済期間は、20年や30年など長期間にわたる可能性があります。

住宅ローンを完済するまでの間に、転職や退職、子どもの進学などさまざまなライフイベントが発生するでしょう。
ライフイベントによって収入が低下したり支出が増えたりすると、住宅ローンの返済が厳しくなるかもしれません。

住宅ローンを組む際は、将来的に起こりうるライフイベントを考慮したうえで、無理なく返済できる計画を立てることが大切です。

貯蓄の大半を頭金にしない

頭金とは、住宅購入資金のうち、貯蓄や親族からの資金提供などで支払う部分です。
貯蓄の大半をマンション購入の頭金に充ててしまうと、購入後に不測の事態が発生した場合に対処できなくなる恐れがあります。

例えばご自身が病気になって働けなくなり、世帯収入が低下してしまった場合、貯蓄が不十分であれば治療費の自己負担分や生活費などが賄えなくなるかもしれません。

中古マンションを購入するときに頭金を入れるとしても、不測の事態に対処できるだけの貯蓄を残しておくことが大切です。

購入時の諸費用や購入後のランニングコスト・税金なども考慮する

中古マンションを購入するときは、印紙税や登記費用、仲介手数料などの諸費用を支払う必要があります。
マンション購入後にリフォームやリノベーションをする場合は、工事費用も考慮して資金計画を立てなければなりません。

またマンションを購入したあとは、管理費や修繕積立金、駐車場代(駐車場を借りた場合)などを支払う必要があります。

加えて年に一度、固定資産税が課せられます。
マンションが市街化区域内にある場合は、都市計画税も負担しなければなりません。

購入時に支払う諸費用や購入後にかかる費用なども考慮して、中古マンションを購入するか判断することが大切です。

中古マンション購入時の注意点7:リフォーム・リノベーション

中古マンション 購入 注意点

販売されている中古マンションの中には、すでにリフォームやリノベーションされているものもあります。
また、中古マンションを購入したあとに、リフォームやリノベーションをして室内を作り変える人も少なくありません。

ここでは、中古マンションにおけるリフォーム・リノベーションの注意点や、事前に確認すべきポイントをみていきましょう。

リフォーム・リノベーション済み中古マンションの注意点

リフォーム・リノベーション済みのマンションは、すでに工事が終わっており、新築マンションに近い内装や設備に刷新されています。

ただし、工事済み物件の価格にはリフォーム費用が含まれているため、同じ築年数の中古マンションに比べて価格が高くなります。また購入後に間取りや設備の変更を希望した場合は、さらにリフォーム費用がかかります。

ご自身の好みやライフスタイルに合わせてリフォーム・リノベーションをしたい方は、工事が未実施のマンションを選ぶのがおすすめです。

購入後のリフォーム・リノベーションは管理規約を確認

マンション購入後にご自身でリフォームやリノベーションをする場合は、管理規約を必ず確認しましょう。
マンションの管理規約によって、工事が制限されていることがあるためです。

例えばマンションによっては、管理規約によって床材の変更や、キッチン・浴室など水回り設備の移動を禁止していることがあります。

また工事に必要な資材の搬入経路や時間帯についての定めや、管理組合への事前申請方法なども管理規約に記載されていることがあります。

リフォームやリノベーションを前提にマンションを購入するときは、不動産会社の担当者に管理規約を取り寄せてもらい、記載内容をよく確認することが大切です。

リフォーム・リノベーションを検討している人が確認すべきポイント

リフォームやリノベーションを前提にマンションを購入するときは、物件の構造を必ず確認しましょう。

マンションの構造には、大きく「ラーメン構造」と「壁構造」があります。

ラーメン構造は、建物を梁と柱で支える構造であり、 部屋の間仕切りを自由に取り外せるため、間取りを変更しやすいです。
対して壁構造は、壁と床で建物を支えているため、間取りの変更が制限されます。

そのため、マンションの購入後に、間取りを大きく変更する可能性があるのなら、ラーメン構造であるかどうかを確認しましょう。

マンションの構造は、不動産会社に見てもらったり、建物の施工図面を見たりすると確認できます。

中古マンションのメリット

中古マンションを購入する主なメリットは、以下のとおりです。

  • 価格が割安
  • 購入前に実物を確認できる
  • 選択肢が増える

価格が割安

中古マンションは、新築マンションよりも価格が割安です。

そのため立地や間取りなどの条件が同じでも、中古マンションであれば新築マンションよりも手ごろな価格で購入できる可能性があります。

リフォームやリノベーションにより、取得コストを抑えて新築物件に近い性能があるマンションを入手することも可能です。

購入前に実物を確認できる

新築マンションでは実物を確認することなく、パンフレットやモデルルームのみを見て購入判断をすることも少なくありません。

その点、中古マンションはすでに建物が建っているため、日当たりや眺め、周辺環境などを確認したうえで購入すべきか判断できます。

選択肢が増える

新築マンションの場合「最寄り駅から徒歩10分以内」「都心部にアクセスしやすい」などの好立地に絞って検討すると、候補が少なくなりやすいです。
そのため、予算内で希望に合う物件を見つけるのに苦労するかもしれません。

中古マンションは、立地が良い場所にも多く建っているため、新築マンションよりも選択肢が増える傾向にあります。

中古マンションも選択肢に含めて検討することで、立地や価格など希望に合った物件がみつかりやすくなるでしょう。

中古マンションのデメリット

一方で中古マンションには、以下のようなデメリットがあります。

  • 修繕費用が高くなることがある
  • 修繕積立金が高い傾向にある
  • 仲介手数料を支払うのが一般的

修繕費用が高くなることがある

中古マンションは、経年劣化により壁紙や床材、キッチン、浴室などの修繕に多額の費用がかかる可能性があります。

構造部分や設備などの劣化状況を確認し、想定される修繕費用を算出したうえで購入しなければ、かえってコストがかかるかもしれません。

修繕積立金が高い傾向にある

修繕積立金とは、マンションの大規模修繕に向けて積み立てるお金のことです。

大規模修繕では、外壁や屋上、廊下などの修繕に多額の費用がかかるため、マンションの区分所有者から修繕積立金を集めて計画的に資金を積み立てています。

マンションの多くは、築年数の経過とともに修繕積立金が段階的に値上げされます。
中古マンションの修繕積立金は、新築マンションより高額な傾向にあるため、毎月のランニングコストがかかりやすい点に注意しましょう。

仲介手数料を支払うのが一般的

不動産会社に中古マンションを探してもらった場合、売買契約が成立したときに成功報酬として仲介手数料を支払う必要があります。

マンションの価格が400万円以上である場合、仲介手数料の上限額は「物件価格×3%+6万円(税抜)」です。

例えば中古マンションの価格が3,000万円である場合、仲介手数料の上限額は「3,000万円×3%+6万円=66万円(税抜)」です。

中古マンションを購入するときは、多額の仲介手数料がかかることがあります。
そのため、購入時の資金計画では、仲介手数料の支払いも考慮することが大切です。

中古マンションの探し方

中古マンションを探すときは、物件の希望を明確にしておきましょう。
立地や広さ、間取り、価格などの条件をあらかじめ決めることで、候補を絞りやすくなります。

希望がまとまったら、不動産ポータルサイトやチラシ、住宅情報誌などを参照してマンションの情報を集めます。

特に不動産ポータルサイトであれば、立地や間取り、広さ、価格など事前に決めた条件をもとに物件の候補を簡単に絞りこむことが可能です。

候補がいくつか見つかったら、不動産会社に問い合わせて内見を申し込むと良いでしょう。
また不動産会社に相談することで、新たな候補となる物件に出会えるかもしれません。

条件を決めたうえで、複数の方法を活用することで、ライフスタイルに合ったマンションが見つかりやすくなります。

まとめ:中古マンション購入時の注意点は5つ

中古マンションを購入する際の注意点は、以下の7点です。

  • マンションの築年数
  • マンションの管理状況
  • マンションが建っている立地
  • マンションにある災害リスク
  • マンションの売買契約
  • マンションを購入する際の資金計画
  • マンション購入時のリフォーム・リノベーション

上記をよく確認・検討したうえで中古マンションを選ぶと失敗を防げるでしょう。
中古マンション選びで悩んだときは、売買実績が豊富な不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
(執筆者:品木 彰)

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