中古マンション探しは、探し方の手順やコツを知ることで失敗を防ぎやすくなります。
また不動産会社にサポートしてもらうことで、より希望に合った物件が見つかりやすくなるでしょう。
本記事では、中古マンションを探す手順や失敗しないためのコツ、不動産会社にサポートを依頼したほうが良い理由をわかりやすく解説します。
遠鉄の不動産・浜松ブロック長
石岡 靖雅(いしおか やすまさ)
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタント、家族信託コーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
中古マンションの探し方とは?手順を解説
中古マンションを探すときの手順は、以下のとおりです。
- 条件を整理する
- 条件に合う物件を探す
- 気になる物件が見つかったら内覧をする
条件を整理する
中古マンションを探す前に、物件の条件を整理しましょう。
予算や築年数、エリア、間取り・広さを先に決めておくことで、物件の候補を絞りやすくなります。
予算
中古マンションを購入するときは、予算を明確にしましょう。
中古マンションは一般的に高額であるため、自己資金だけでなく住宅ローンも借り入れて購入資金を賄います。
また仲介手数料や登記費用などの諸費用は、現金で支払うのが一般的です。
住宅ローンの借入額は、子どもの進学や転職などのライフイベントが発生しても返済が続けられるような金額にするのがポイントです。
自己資金については、貯蓄の大半を充てるのではなく病気や退職などの不測の事態が起こったとしても対処できる金額は手元に残しておきましょう。
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築年数
次に、築何年の中古マンションを購入するのかを考えてみましょう。
中古マンションの築年数が経過するにつれて、以下のとおり資産価値は下がっていきますが、築25年を過ぎると下落しなくなります。
※出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」
築浅の中古マンションは、新築マンションと同等の魅力がありますが、購入後に資産価値が下がりやすいといえます。
将来的に売却する可能性があるのなら、資産価値が下がりにくい築25年以上のマンションを選ぶのも方法のひとつです。
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エリア
通勤時間や生活の利便性、治安などに優先順位を付け、どのエリアのマンションを購入するのかを考えてみましょう。
例えば小さな子どもがいる世帯は、保育園や公園、病院などの多さでエリアを選ぶ方法があります。
通わせたい小学校や中学校の学区をもとにエリアを選ぶのも有効でしょう。
間取り・広さ
最後に、マンションの間取りや広さを考えます。
間取りや広さを考えるときは、現在だけでなく将来の生活も考えると良いでしょう。
例えば子どもがまだ小さいのであれば、将来的に子どもが成長したときに個室を与えられるように、部屋数の多いマンションを選ぶ方法があります。
条件に合う物件を探す
条件が決まったら、希望に合うマンションを探しましょう。
マンションを探す方法には「不動産ポータルサイトで検索する」「不動産会社に探してもらう」があります。
SUUMOやat homeといった不動産ポータルサイトでは、エリアや築年数、沿線などの条件を指定して、マンションを検索することが可能です。
不動産会社に相談すると、担当者に希望を伝えることで条件に合う物件を提案してくれるだけでなく、インターネットには掲載されていない物件を紹介してもらえることもあります。
気になる物件が見つかったら内覧をする
マンションを探して気に入った物件が見つかったら、内覧を申し込みましょう。
室内の間取りや内装を実際に確認することで、生活動線や日当たりなど写真だけではわからない点に気づくことができます。
また内覧時に、マンションの周辺環境も確認することをおすすめします。
スーパーや学校、病院、最寄り駅などとマンションの位置関係を、歩いたり車で走行したりして確認することで、購入後の生活がよりイメージしやすくなるでしょう。
失敗しない!中古マンションを探すときのコツ
続いて中古マンション探しの失敗を防ぐコツをご紹介します。
資産価値が落ちないマンションを選ぶ
中古マンションを購入したあとも、転勤や家庭の事情などの理由で住み替えが必要になるかもしれません。
資産価値が落ちないマンションであれば、住み替えが必要になったときに、スムーズに買い手が見つかるでしょう。
先述のとおり築25年以上の中古マンションは資産価値が下がりにくいです。
外壁や廊下、エントランス駐車場などの共用部分が適切にメンテナンスされていれば、資産価値は維持されやすいでしょう。
他にも「駅から徒歩15分以内」「治安が良い」「将来的に再開発が予定されている」などに該当するエリアのマンションも資産価値が落ちにくいといわれています。
長期修繕計画や修繕積立金の状況を確認する
長期修繕計画は、マンションの大規模修繕が行われる時期や施工箇所、工事費用などの予定が記載された書類です。
大規模修繕では、外壁や廊下、エントランスなど共用部分を修繕するため、多額の費用がかかります。
そのため長期修繕計画に沿って、区分所有者から修繕積立金や修繕積立基金を集め、将来の工事に備えて積み立てられています。
長期修繕計画に沿って修繕積立金が集められていないと、大規模修繕をするときに資金が不足し、一時金を徴収されるかもしれません。
また資金不足により、計画通りに大規模修繕が実施されないと、外壁や廊下などの劣化が放置されたままとなり、マンションの資産価値が下がる可能性もあります。
中古マンションを購入するときは、長期修繕計画と修繕積立金の状況を確認することが大切です。
災害リスクや耐震基準を確認する
地震や洪水、土砂崩れなどの自然災害で損傷を負うリスクを確認したうえで中古マンションを購入すると、より快適な生活を送りやすくなるでしょう。
とくに中古マンションの場合は「耐震基準」の確認が重要です。
1981年5月31日以前に建築確認されたマンションは「旧耐震基準」が適用されており、震度5強程度の地震が発生しても倒壊しないように建てられています。
一方で1981年6月1日以降に建築確認が行われたマンションは「新耐震基準」が適用されており、震度6強や7程度の地震でも倒壊しない水準の耐震性能があります。
地震による被害が心配であるのなら、より高い耐震性能がある新耐震基準のマンションを選ぶと良いでしょう。
また洪水や土砂崩れなどの被害が心配な方は、自治体が公表するハザードマップで災害に遭うリスクを確認したうえでマンションを選ぶのが有効です。
希望通りのリノベーションができるかチェックする
中古マンションを購入してリノベーションをする場合は、建物の構造や管理規約などを確認することが大切です。
例えば室内の間取りを変更したいのであれば、建物の構造は必ず確認しましょう。
「ラーメン構造」の建物であれば、部屋の間仕切りを取り外せるため、自由に間取りを変更できます。
しかし「壁構造」の建物は、壁と床で建物を支えているため間取りを変更できません。
マンションの管理規約には、水回り設備(キッチンやトイレなど)の移動や、使用できる床材に禁止事項が設けられていることがあります。
事前の届け出方法や施工可能日時など、工事に関するルールが記載されているケースもあるため、リノベーションをする場合、管理規約の確認は必須といえます。
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中古マンション探しは不動産会社に依頼すべき?
中古マンションを探す際は、不動産会社にサポートしてもらうことをおすすめします。
ここでは、不動産会社にサポートを依頼するのがおすすめである理由や、不動産会社の種類をみていきましょう。
不動産会社にサポートしてもらうのがおすすめ
不動産会社に相談をすると、情報が公開される前に売れてしまうような優良物件を紹介してもらえる可能性があります。
またマンションの周辺環境や近隣住民などの注意点を教えてくれることもあるため、より安心して購入できるでしょう。
担当者がリノベーションの知識に明るいのであれば、工事で希望する部屋にできるかどうかも相談できます。
マンションの管理規約や長期修繕計画を取り寄せるときも、不動産会社の担当者経由で依頼するとスムーズです。
このようにさまざまな恩恵を得られるため、中古マンションの売買実績が豊富な不動産会社に協力してもらって物件を探すと良いでしょう。
大手不動産会社と地域密着型不動産会社の違い
不動産会社には、大手不動産会社と地域密着型の2種類があり、それぞれ以下のようなメリットがあります。
サポートを依頼する主なメリット | |
大手不動産会社 | ・認知度の高さから安心感や信頼感を得やすい ・店舗数が多い など |
地域密着型不動産会社 | ・地域の特性をよく理解している ・丁寧で親身な対応が期待できる など |
大手と地域密着型には異なったメリットがあり、どちらが一概によいとはいえません。
また不動産会社を選ぶうえで重要なのは、担当者の実力です。
大手と地域密着型の特徴を理解したうえで複数の不動産会社に相談をし、信頼できる担当者にサポートを依頼することで、中古マンションの購入に失敗しにくくなるでしょう。
【まとめ】探し方を知ると中古マンション選びの失敗を防げる
中古マンションを購入するときは、物件探しを始める前に予算や築年数などの条件を最初に決めましょう。
そして条件に合うマンションを探し、気に入った物件が見つかったら内覧をして室内や周辺環境をチェックするのがおすすめの探し方です。
また中古マンション探しでは、不動産会社のサポートが不可欠であるといっても過言ではありません。
希望に合った物件を探している方は、中古マンションの取り扱い実績が豊富な不動産会社に相談してはいかがでしょうか。
(執筆者:品木 彰)