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家を買うときに考えることは何?購入のタイミングや予算の決め方を解説

「家を買うタイミングはいつが良いのだろうか」「家を買うときにまずやるべきことは何なのだろうか」と悩む人は少なくありません。

そこで今回は、家を買う人の平均年齢や平均年収、購入を決めたあとにやるべきことを解説します。

新築住宅と中古住宅、戸建て住宅とマンションなど、住宅の種類ごとのメリットも解説していますので、マイホームの購入を検討している方はぜひご一読ください。

遠鉄の不動産・浜松ブロック長 石岡 靖雅(いしおか やすまさ)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、相続支援コンサルタント、家族信託コーディネーター、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

家を買う人の年齢や年収

最初に、国土交通省の調査をもとに家を買う人の平均年齢や平均年収をご紹介します。

家を買う人の平均年齢

国土交通省の住宅市場動向調査報告書によると、初めて家を購入する世帯(一次取得者)の世帯主の平均年齢は次のとおりです。

  • 注文住宅:39.5歳
  • 分譲戸建住宅:37.5歳
  • 分譲集合住宅:39.9歳
  • 既存(中古)戸建住宅:43.6歳
  • 既存(中古)集合住宅:43.7歳

※参考:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」

調査結果をみると、注文住宅や分譲戸建住宅、分譲集合住宅は30代後半で取得している人が多いことがわかります。

一方で、中古物件を取得した世帯主の平均年齢は40代前半となっています。

家を買う人の平均年収

続いて、同調査をもとに家を買う人の平均年収をみていきましょう。

  • 注文住宅:731万円
  • 分譲戸建住宅:722万円
  • 分譲集合住宅:923万円
  • 既存(中古)戸建住宅:682万円
  • 既存(中古)集合住宅:609万円

※参考:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」

平均の世帯年収がもっとも高いのは、分譲集合住宅の923万円でした。
また新築物件の方が、中古物件よりも平均年収は高い傾向にあります。

家を買う代表的なタイミング

多くの人は、ライフイベントの発生をきっかけとして家を買います。
家の購入を決断することの多いライフイベントは、以下のとおりです。

  • 結婚
  • 妊娠・出産
  • 子どもの進学
  • 子どもの独立
  • 定年退職 など

また「家賃の支払いをもったいなく感じるようになった」「マイホーム購入の頭金が貯まった」のように、金銭的な理由で家の購入を決断する方もいます。

住宅を購入するタイミングは人それぞれであり、一概にはいえません。

家族構成や今後のライフプランなどをもとに、マイホームを購入するタイミングを慎重に判断することが大切です。

家を買うときにまずやることは「予算の設定」

マイホームを購入するときは、予算を綿密に決めることが大切です。
予算を決めていないと、あれもこれもと欲が出てしまい、マイホームの取得費用が多額になってしまいかねません。

そのため、物件選びを始める前に、住宅ローンの借入額や頭金の額を、できるだけ細かく設定しておくことをおすすめします。

ここでは、住宅ローンの借入額や頭金の決め方を解説します。

住宅ローン借入額の決め方

住宅ローンの借入額は、一般的に年収の5倍から7倍が目安とされています。
例えば年収が600万円の場合、借入額の目安は3,000万〜4,200万円です。

また「返済負担率」をベースに借入額を決める方法もあります。
返済負担率とは、収入に占める年間の返済額の割合のことです。
一般的に、返済負担率を20〜25%以下に設定しておくと、無理なく返済できると考えられています。

ただし、これは一般的にいわれる目安であり、どの世帯にとっても適切な借入額を示しているわけではありません。

住宅ローンの借入額を決めるときは、家計の収支や今後のライフプランなどをもとに、無理なく返済できる金額を考えることが重要です。

返済期間については、借入時の年齢と働ける年数を考慮して決めます。

とはいえ、住宅は人生で何度も購入するものではないため、借入額や返済期間などを自力で選ぶのは困難かもしれません。

そのため住宅ローンの借入額を決めるときは、不動産会社や金融機関、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

頭金の決め方

頭金は、住宅購入金額のうち住宅ローンを利用せずに現金で支払う部分です。
頭金の金額に明確なルールはありませんが、一般的には物件の10〜20%程度が目安とされています。

頭金を多く入れると、住宅ローンの返済額を減らせるため、返済負担を軽減できます。
また金融機関からお金を計画的に扱える人だと評価されて、住宅ローンの審査に通過しやすくなるというメリットもあります。

ただし、手持ち資金のほとんどを頭金に充てるのはおすすめできません。
手持ち資金が少なくなると、子どもの進学や家族の病気・ケガなどで出費が発生したときに、支払いができなくなる可能性があるためです。

頭金を入れるとしても、まとまった支出が発生したときに資金不足とならないよう、ある程度の手持ち資金は残しておくことをおすすめします。

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諸費用も考慮して計画を立てる

マイホームを購入するときは、物件の購入費用のほかにも税金や手数料などの諸費用がかかります。

住宅ローンを借り入れてマイホームを購入する際にかかる主な諸費用は、以下のとおりです。

マイホーム購入時にかかる諸費用

  • 印紙税:住宅の売買契約書や建築請負契約書などに貼る収入印紙代
  • 不動産取得税:不動産を取得するときに支払う税金
  • 登録免許税:所有権移転登記や所有権保存登記をする際に支払う税金
  • 司法書士報酬:登記手続きを代行してもらう司法書士に支払う報酬
  • 仲介手数料:不動産会社に支払う手数料
    ※不動産会社による仲介で物件を購入した場合のみ
  • 固定資産税・都市計画税の精算金:中古住宅の売主に支払う負担金
  • 引っ越し費用:新しい住宅に引っ越しをするための費用

住宅ローンを組むときにかかる諸費用

  • 融資事務手数料:借入先の金融機関に支払う事務手数料
  • 保証料:保証会社に支払う手数料
  • 印紙税:金銭消費貸借契約書に貼る収入印紙代
  • 登録免許税:抵当権設定登記をする際に支払う税金
  • 火災保険料:火災保険に加入したときの支払う保険料

上記のほかにも、仮住まいに入居するための費用や土地の測量費用などがかかることもあります。
マイホーム購入の資金計画を立てる際は、諸費用の種類や金額を確認しておきましょう。

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どの家を買う?住宅の種類ごとに特徴とメリットを解説

住宅の種類は、新築住宅と中古住宅、戸建て住宅とマンションに分けられます。

また、新築の戸建て住宅には、土地や間取り、建材、設備などを決めて設計・建築をする「注文住宅」と、土地と建物がセットで販売される「建売住宅(分譲住宅)」があります。

最後に、住宅の種類ごとの主なメリットをみていきましょう。

新築住宅と中古住宅

新築住宅と中古住宅の主なメリットは、以下のとおりです。

主なメリット
新築住宅 ・誰も住んだことがない物件を購入できる
・耐震性や断熱性に優れる傾向にある
・購入してから当面は修繕やメンテナンスが発生しにくい
中古住宅 ・新築に比べて価格が安い
・立地や間取りの選択肢が豊富
・実際に物件を見たうえで購入を判断できる

人が住んだことがある住宅に抵抗がある人や、建物・設備が新しい方が良い人は、新築住宅が向いているといえます。

一方で、できるだけ安価にマイホームを購入したい人や、建物の状況を確認してから購入を判断したい人は、中古住宅の方が合っているといえるでしょう。

戸建て住宅とマンション

続いて、戸建て住宅とマンションの主なメリットをみていきましょう。

主なメリット
戸建て住宅 ・管理費や修繕積立金を支払う必要がない
・庭があることが多い
・リフォームの自由度が高い
マンション ・オートロックや管理人の在中などセキュリティが整っている
・多くが鉄筋コンクリート造のため耐震性能・耐火性能が高い
・共用部分のメンテナンスは管理会社が担当する

戸建て住宅の多くには庭が付いているため、子どもやペットなどが自由に走り回れるスペースが欲しい人におすすめです。
また、将来的にリフォーム・リノベーションをして、外観や内装などを刷新したいと考えている方も、戸建て住宅の方が合っていると考えられます。

一方、セキュリティ性能が高く安心できる家に住みたい人や、耐震性能や耐火性能に優れた住宅に住みたい人などはマンションがおすすめです。

注文住宅と建売住宅

注文住宅と建売住宅の主なメリットは、以下のとおりです。

主なメリット
注文住宅 ・間取りやデザインなどを自由に決められる
・土地を自由に選べる
・家が建つ課程を確認できる
建売住宅 ・建築にかかる時間や労力が不要
・注文住宅に比べて価格が割安
・比較的短い期間で入居ができる

注文住宅は、外観や間取り、内装、設備などにこだわりたい人や、すでに土地を持っている人などに選ばれやすいです。

一方で、できるだけ短期間で入居したい人や、間取り・デザイン・設備などがある程度決まっている方が良いという人は、建売住宅を選ぶ傾向にあります。

【まとめ】家を買うときは不動産会社に相談する

家を買うタイミングは、家族構成や今後のライフプランをもとに決めることが重要です。
また家を買うと決めたあとは、住宅ローンの借入額や頭金の額を決めて、厳密に予算を立てる必要があります。

しかし実際には、マイホームを初めて購入する方が、適切なタイミングを判断したり予算を立てたりするのは難しいものです。

「家を買う」と決めたときは、早めの段階で不動産会社に相談し、不動産や住宅ローンの専門家に住宅選びをサポートしてもらうことをおすすめします。
(執筆者:品木 彰)

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