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涼を呼ぶインテリア  韓国のアンティークポジャギ

年々暑さが厳しくなる夏は、涼しさを演出するインテリアで、楽しく快適に乗り越えたいもの。
今回は、湖西市新居町の<とんぱ hanare>さんを訪ねて、「布のステンドグラス」と呼ばれる韓国の布「ポジャギ」を使った夏のしつらいを教えていただきました。光と風を通す麻の布で、涼を呼ぶインテリアを試してみませんか。

大切な、丁寧な、ふつうの暮らし<とんぱ hanare>

JR浜松駅から車で40分。浜名バイパスの新居弁天ICを下りた海辺の小さな町に、白い壁の古民家風一軒家が見えてきます。
ここは、「大切な、丁寧な、ふつうの暮らし」がコンセプトのセレクトショップ<とんぱ hanare>。店主の素保 晴美さんが世界中から集めた器や日用品、衣料品が並びます。

お店にある品々にはそれぞれストーリーがあり、日々の暮らしを大切にする作り手の思いを感じることができます。小さなお店は、素保さんの思いやライフスタイルに共感する人達が集い、いつも穏やかな熱気に包まれています。

素保さん「ここは、人との出会いを目的に作った場所なんです。自分の好きなものを大切な人と共有できる幸せな空間です」

ここ数年、<とんぱ hanare>で夏に開催しているイベントが、韓国の布「ポジャギ」の展覧会です。まもなく始まる展覧会を前に、ポジャギの魅力や、ポジャギを使った夏のしつらいについて教えていただきました。

「布のステンドグラス」 ポジャギ

ポジャギ(チョガッポ)とは

ポジャギは、朝鮮王朝時代の手仕事としてはじまった伝統工芸品で、ものを包んだり覆ったりする風呂敷や袱紗(ふくさ)のようなものです。韓国では、古くから「福」を包む縁起物の布として親しまれており、中でもハンボク(韓服)のはぎれを用いて、一針一針丁寧に縫い合わされたものをチョガッポといいます。儒教の教えを反映し、「素朴さ、静けさ」を湛えるチョガッポは、多くの人を魅了し、光を通すといっそう美しく表情を変える様子から「布のステンドグラス」と呼ばれています。

アンティークポジャギ

ポジャギ(チョガッポ)には、現代作家が手掛けるものやお土産用など、カラフルな作品もありますが、<とんぱhanare>さんでは、特に古いポジャギを取り扱っています。
アンティークポジャギは、自然の染料で染められたごくシンプルな色合いのものが多く、何度も水にさらして薄く透けているものが良いとされています。繊細な風合いを持つアンティークポジャギは、近年特に人気が高まっています。

涼を呼ぶ麻の素材

ポジャギ(チョガッポ)が夏のインテリアにぴったりな理由に、さらっとした肌ざわりの麻の素材があります。麻素材といえば、亜麻(あま)を主原料にしたリネンが一般的ですが、ポジャギでは、モシやサンベと呼ばれる、それぞれ個性の違う麻素材が使われています。

モシ

苧麻(ちょま)と呼ばれる麻の一種を平織りしたもの。軽く、中が透けるほど薄い生地は、涼しくシャリシャリとした手触りの夏の高級布です。

 

サンベ

大麻(たいま)の茎を原料にした厚手の麻布。 モシに比べると目が粗く、ざっくりとしているのが特徴。使えば使うほど味が出てくる布です。

夏のしつらい① 日差しを和らげる

ポジャギ(チョガッポ)の最大の魅力である美しい透け感を楽しむには、窓際に飾ることをおすすめします。
特に夏は、強い日差しを和らげながら、目隠しとしても機能する実用品として活躍します。
光にかざした途端に浮かび上がる模様の美しさはまさに「布のステンドグラス」。繊細な布の表情に心が奪われ、思わず見入ってしまいます。

夏のしつらい② ものを少なくすっきり片付ける

夏のリビングは整理整頓。風通しが良さそうな片付いた部屋は、それだけで涼を呼びます。片付かないこまごまとしたものは、布で覆ったり暖簾(のれん)を使って目隠しをすることで、すっきり見せることができます。

一枚あると重宝する小さめのポジャギ
布で空間を緩やかに区切ることで、部屋が広く、風通し良く感じることができます

夏のしつらい③ 視覚で涼を楽しむ

清廉な佇まいのポジャギ(チョガッポ)は、光にかざすと浮かび上がる幾何学模様を見ているだけで、気持ちも落ち着き、清涼感を感じることができます。繊細な色彩や構成がまるで一枚の抽象絵画のように美しく、古くから観賞用としても親しまれてきました。
またポジャギには、「福」を包む縁起物のほか、端布を繋ぐこと長寿を願う布、モシの網目で悪鬼(邪気)を捕まえる布といった意味があり、厄払いとして壁にかけて飾ったそうです。

夏のしつらい④ 素材とデザインを選ぶ

アンティークポジャギを使った夏のおもてなしには、透明なガラスや、凛とした白磁の器、ひんやりとした金属の食器など、素材が引き立つデザインがシンプルなものを選んで涼しさを演出しましょう。

真鍮製の韓国のスプーン(スッカラ)や李朝盆など、ポジャギと相性のいい韓国のアンティーク食器
白と生成りの抑えた色味でトーンを統一。 素材違いの食器もすっきり涼し気にまとまります

ポジャギとガラスの器展

「ポジャギとガラスの器展」(期間: 2020年8月1日〜8月7日)

<とんぱ hanare>では、今シーズンのポジャギ展がいよいよ始まります。
今年は人気ガラス作家の稲葉知子さんの作品も並びます。とっておきの「涼」を探しに、湖西市まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

<とんぱ hanare>
http://www.83com.com/
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〒431-0302 静岡県湖西市新居町新居2731
Tel / Fax : 053-594-8633
定休日   : 土日祝日(その他不定休あり)
営業時間  : 11時~夕方(お電話後のご来店が確実です)

 

 

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