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【一覧表付き】土地売却にかかる費用・税金を解説!土地を高く売るためのコツは?

土地を売却する場合、売却代金のすべてが手元に入るわけではありません。
仲介手数料や住宅ローンの一括返済手数料、印紙税などの費用が発生するためです。

土地の売却後に、できるだけ多くのお金を手元に残したい場合は、売却時の費用や税金を把握することが大切です。
本記事を読んでいただくことで、土地売却にかかる費用や税金の種類・金額がわかります。

遠鉄の不動産・浜松北ブロック長 影山 裕紀(かげやま ひろき)


宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、3級ファイナンシャル・プランニング技能士、ITパスポート

土地売却にかかる費用・税金の一覧表

土地売却 費用

土地の売却にかかる費用と税金は、以下の通りです。

土地売却にかかる費用
  • 仲介手数料
  • 住宅ローンの一括返済手数料
  • 土地境界確定測量の費用
  • その他調査・工事の費用
土地売却にかかる税金
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 所得税・住民税

土地売却にかかる費用

土地売却 費用

土地の売却にかかる費用を見ていきましょう。

仲介手数料

仲介手数料とは、土地の売却の仲介を依頼する不動産会社に対して支払う手数料です。
不動産の売却に対する成功報酬であるため、買い手を見つけてくれた不動産会社に対してのみ仲介手数料を支払います。

不動産会社の多くは、仲介手数料の金額を法定上限額に設定しています。
仲介手数料の法定上限額は、以下の通りです。

【仲介手数料の料率(上限)】

200万円以下の部分 売却価格の5%
200万円超400万円以下の部分 売却価格の4%
400万円超の部分 売却価格の3%

実際に仲介手数料を算出する際は「売却価格×3%+6万円+消費税」の即算式を用いて計算されるのが一般的です。
例えば土地の売却価格が2,000万円である場合、仲介手数料の金額は2,000万円×3%+6万円=66万円(税抜)となります。

一方で仲介手数料には、下限が設けられていません。
そのため仲介手数料を無料にしていたり、法定上限額の半額以下に設定していたりする不動産会社もあります。

住宅ローンの一括返済手数料

住宅ローンを借り入れて土地を購入している場合、売却前に残債を一括返済しなければなりません。
金融機関によっては、住宅ローンを一括返済する際に手数料の支払いが発生します。

売却時に住宅ローンの一括返済が必要な理由は、抵当権を抹消するためです。
抵当権とは、住宅ローンの返済が長期間にわたって滞った場合に、金融機関が担保としている物件を差し押さえできる権利です。

抵当権が付いたままの不動産は基本的に売却できないため、住宅ローンを一括返済して抵当権を抹消する必要があります。

一括返済手数料の金額は、 5,000〜5万円程度までさまざまです。
手数料を無料にしている金融機関もあるため、売却の検討時に確認しておきましょう。

土地境界確定測量の費用

土地境界確定測量の費用とは、土地の測量や必要書類の作成に必要な費用です。
土地を売却する際は、隣の土地との境界を明確にしておかなければトラブルに発展する恐れがあります。

土地の境界があいまいな場合は、土地家屋調査士に依頼して地積測量図や境界確認書を作成してもらうのが一般的です。
土地境界確定測量の費用は、数十万円ほどかかるため、土地を売却するときの資金計画に入れておきましょう。

その他調査・工事の費用

土地を売却する際は、土地汚染を調査することがあります。
また土地の水道管が古く老朽化していると、売却前に水道引込工事が必要となる場合もあります。
土地汚染の調査費用や水道引込工事の費用は、どちらも数十万円ほどです。

また建物を解体してから売却する場合は、解体費用がかかります。
解体費用は、建物の大きさにもよりますが、一般的に数百万円と高額です。

土地売却にかかる税金

土地売却 費用

土地を売却する際は、印紙税を支払う必要があります。
また状況に応じて登録免許税や所得税、住民税などを支払わなければなりません。

印紙税

印紙税とは、土地の売買契約書に収入印紙を添付して納める税金です。
添付する収入印紙の金額は、売買契約書に記載された契約金額によって異なります。

なお2022年3月31日までに作成された不動産の売買契約書については、印紙税に軽減税率が適用されます。
例えば土地の売却価格が2,000万円であった場合、本来であれば20,000円分の収入印紙を貼付しなければなりませんが、軽減税率が適用されると10,000円になります。

登録免許税

登録免許税は、住宅ローンを完済して抵当権抹消登記を行う際に支払う税金です。
登録免許税の税額は、不動産1個につき1,000円となります。
なお抵当権抹消登記には、法律に関する専門知識が必要であるため司法書士に依頼するのが一般的です。
司法書士に抵当権抹消登記を依頼する際は、数万〜数十万円の報酬を別途支払う必要があります。

所得税・住民税

所得税と住民税は、どちらも年間の所得に所定の税率をかけて計算する税金です。
土地を売却して利益(譲渡所得)が発生した場合は、所得税と住民税を納めなければなりません。
また2037年(令和19年)までは、復興特別所得税も納める必要があります。

譲渡所得に対する所得税や住民税の税率は、以下の通り売却した不動産の所有期間に応じて決まります。

  • 5年以下(短期譲渡所得):39.63%(所得税率30.63%+住民税率9%)
  • 5年超(長期譲渡所得):20.315%(所得税率15.315%+住民税率5%)
    ※復興特別所得税を合算した税率

なお不動産の譲渡所得は、分離課税の対象です。
給与所得や事業所得など他の所得とは分けたうえで、譲渡所得に所定の税率がかけられて所得税や住民税が計算されます。
土地売却時の税金については、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご一読ください。

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土地を高く売却するコツは?

土地売却 費用

土地を売却するコツは、以下の3点です。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 売却価格の相場を調査する
  • 不動産会社を通じて買主と交渉する

複数の不動産会社に査定を依頼

土地を売却する場合は、複数の不動産会社に査定を依頼して結果を比較しましょう。
一社に土地の査定を依頼しても、査定結果や不動産会社の説明内容が適切か判断できないためです。

また土地の査定結果や査定の根拠が、売却の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際の判断材料となります。
信頼できる不動産会社ほど、査定結果が正確なだけでなく査定額の根拠も明確です。

売却価格の相場を調査

不動産会社の査定結果が正しいかどうか判断するためには、売主自身も土地の価格相場を把握することが大切です。

相場を把握せず「査定結果が高額」という理由だけで不動産会社を選び、売出価格を高値に設定すると、売れ残ってしまう恐れがあります。
相場以下に値下げをしなければ、買い手が見つからなくなるケースもあるのです。

そのため土地をはじめとした不動産を売却する際は、売却相場を調査して適切な売出価格に設定する必要があります。
実際の取引価格(実勢価格)や、公的機関が算出する公示地価・基準地価、国税庁が発表する路線価などを調べて、売主自身も土地の価格相場を把握しましょう。

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不動産会社を通じて買主と交渉

不動産取引では、購入希望者が売主に対して値下げを要求する場合があります。
購入希望者の値下げ要求に一方的に応じるだけでは、高値で土地を売却するのは難しいでしょう。

そのため価格の値下げを要求された場合は、不動産会社と相談し、購入希望者と交渉する必要があります。
事前に不動産会社と相談して、値下げの下限額や値下げ条件などをすり合わせておくとスムーズでしょう。

土地売却での節税ポイント

土地売却 費用

土地を売却する場合、以下のような特例制度を利用することで所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。

  • 所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例
  • 相続税の取得費加算の特例
  • 居住用財産の3000万円の特別控除

たとえば、居住用財産の3000万円の特別控除を適用できると、居住していた土地と建物を売却した場合に、3,000万円までの譲渡所得が非課税となります。

制度を利用するためには、所定の要件を満たしたうえで確定申告をしなければなりません。
制度の内容や要件は、以下の記事でも解説していますので、ぜひご一読ください。

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【まとめ】土地売却時はさまざまな費用や税金がかかる

土地の売却時にかかる費用や税金の種類は、以下の通りです。

◯土地売却にかかる費用

  • 仲介手数料:売却の仲介を依頼する不動産会社に対して支払う成功報酬
  • 住宅ローン返済手数料:住宅ローンを一括返済する際に金融機関に支払う手数料
  • 土地境界確定測量の費用:土地家屋調査士に地積測量図や境界確認書を作成してもらう費用
  • その他調査・工事の費用:土地汚染調査費用や建物の解体費用など

◯土地売却にかかる税金

  • 印紙税:土地の売買契約書に添付する収入印紙代
  • 登録免許税:抵当権抹消登記をする際に支払う税金
    ※登記を司法書士に依頼する場合、別途報酬を支払う必要がある
  • 所得税・住民税:土地の売却によって譲渡所得が発生した場合に支払う税金

ただし土地の売却時に支払う必要がある費用や税金を、売主自身がすべて把握するのは困難です。
土地を売却したあとに手元に残る金額の目安を知りたい方や、できるだけ土地を高値で売却したい方は、土地の売却実績が豊富な不動産会社に相談するとよいでしょう。
(執筆者:品木彰)

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