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転勤になったら家はどうする?賃貸や売却などの選択肢と決め方を解説

持ち家を所有している人にとって、突然の転勤が決まったときに家をどうするのかは非常に悩ましい問題といえます。

転勤が決まったときの選択肢としては「家を賃貸に出す」「家を売却する」「空き家のまま所有する」「単身赴任をする」といった選択肢があります。

本記事では、転勤が決まったときに家をどうするのかを決める方法や選択肢ごとのメリット、デメリットをわかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

転勤が決まったら家はどうする?事前に確認すべきこと

転勤 家 どうする

転勤が決まったら、家をどうすべきか検討する前に以下の点を確認すると良いでしょう。

確認事項 確認すべき主な理由
転勤の期間や場所
  • 転勤の期間が不明確な場合は家を売却したほうが良いケースがある
  • 転勤先が現在の居住地から離れている場合、家の管理が難しくなるため空き家のまま所有するのは困難
住宅ローンの残債
  • 住宅ローンの残債が多いと売却は困難なケースがある
勤務先の家賃補助制度
  • 転勤先の社宅や家賃補助制度が利用できるのであれば、転勤後も引き続き家を所有しやすい
家族の状況や意向
  • 子どもが進学を控えているのであれば生活拠点を移さないほうが良い場合がある
  • 家族が家を手放したくないのであれば売却以外の選択をする必要がある

以上の点を確認しておくことで、家をどうすべきか判断がしやすくなります。

ここからは「家を賃貸に出す」「家を売却する」「空き家のまま所有する」「単身赴任をする」といった選択肢ごとのメリットとデメリットを解説します。

選択肢1.家を賃貸に出す

転勤 家 どうする

転勤の期間が少なくとも3年以上であり、家を手放したくないのであれば賃貸に出すのが有効な選択肢となります。

転勤をきっかけに家を賃貸に出す場合のメリットとデメリットをみていきましょう。

賃貸に出すメリット

家を賃貸に出す主なメリットは、以下のとおりです。

  • 将来的に家に戻ることができる
  • 家賃収入を得られる

家を賃貸に出したとしても、所有権を失うわけではないため将来的に再び家に戻って生活をすることができます。

賃貸に出せば家賃収入を得られるため、固定資産税や火災保険料などの維持費の負担を軽減しやすいです。
賃貸需要があるエリアに家があれば、賃料の設定次第で利益を得ることも可能です。

家を他の人に貸すのであれば「定期借家契約」で貸し出すと良いでしょう。

定期借家契約は物件に借りて住める期間が決まっている賃貸契約であり、契約期間が満了すると契約は終了するため、確実に家に戻ることができます。

賃貸に出すデメリット

家を賃貸に出す場合のデメリットは、以下のとおりです。

  • 借り手が見つからなければ家賃収入は得られない
  • 住宅ローンの契約違反になる可能性がある

家が賃貸需要の少ないエリアにあると、借り手を見つけるのは困難でしょう。

また転勤から2年以内で戻るのであれば、借り手は見つかりにくいです。
たとえ見つかったとしても、家賃が相場よりも安くなる可能性があります。

さらに住宅ローンを組んでいる場合は、金融機関から賃貸物件としての利用を認めてもらえない場合があります。

ただし賃貸に出す期間が限定されていると、例外として賃貸利用を認めてもらえる場合があるため、借入先の金融機関に必ず相談をしましょう。

選択肢2.家を売却する

転勤 家 どうする

一般的に家は、築年数が経過するほど売却価格が安くなっていきます。
転勤をしたあとに、いつ戻ってこられるかわからない場合は、築年数が経過しないうちに家を売却するのも有効な方法です。

ここでは転勤をきっかけに家を売却するメリットとデメリットを解説します。

家を売却するメリット

転勤をきっかけに家を売却するメリットは、以下のとおりです。

  • 家を現金化できる
  • 維持費や管理する手間がかからなくなる

家を売却すると、売却代金を得ることができます。
売却代金の額が、住宅ローンの残債と売却時にかかる税金や手数料などを上回っていれば、残りは住み替えのための資金として活用することが可能です。

また家を売却してしまえば、固定資産税や火災保険料などの維持費がかからなくなります。
家を管理するために、自ら出向いたり管理会社に依頼したりする必要もありません。

家を売却するデメリット

家を売却するデメリットは、以下のとおりです。

  • 愛着のある家を手放すことになる
  • 買主探しに時間がかかる可能性がある

家を売却して手放してしまうと、将来的に戻ることができなくなってしまいます。

思い出の詰まった自宅を手放すことに、抵抗を感じる方は少なくありません。
再び同じ家を購入するという方法もありますが、あまり現実的とはいえないでしょう。

加えて家を売却するためには、買い手を探さなければなりません。
家の売却期間は一般的に3〜6か月ほどかかるため、転勤をしたあとも売却活動が続きやすく、買い手探しに苦労する可能性があります。

選択肢3.空き家のまま所有する

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転勤から1~2年程度で戻る予定であれば、空き家のまま所有する方法があります。
ここでは空き家のまま所有するメリットとデメリットをみていきましょう。

空き家のまま所有するメリット

空き家のまま所有するメリットは、以下のとおりです。

  • いつでも家に戻ることができる
  • 他人に貸す必要がない

空き家のまま所有していれば、将来的に再び住むことができます。
またお盆や年末など好きなタイミングで戻れるため、別荘として活用することも可能です。

賃貸に出したときとは異なり、入居者とトラブルになったり大切な家を汚されたりする心配はありません。

空き家のまま所有するデメリット

空き家のまま所有するデメリットは、以下のとおりです。

  • 維持費や住宅ローンの支払いが発生する
  • 物件を管理する必要がある

空き家で所有しているあいだも、固定資産税や火災保険料などの維持費が発生します。
住宅ローンを組んでいる場合は、新居の住居費とローンの返済が重なり金銭的に大きな負担となるかもしれません。

また自宅の管理を怠り、建物が老朽化したり草木が伸びたりすることで、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。

家から離れた場所に転勤する場合は、管理をするために移動をするだけでも手間や時間がかかってしまうでしょう。
管理会社に管理を委託することもできますが、その分費用がかかります。

選択肢4.単身赴任をする

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家族がいる場合は、単身赴任をするという選択もあります。
単身赴任にもメリットとデメリットがあるため、よく理解をしたうえで検討をすることが大切です。

単身赴任をするメリット

単身赴任をするメリットは、以下のとおりです。

  • 家族は引き続き自宅で生活できる
  • 家の管理を気にする必要がない

単身赴任をすると、家族は引き続き住み慣れた家で生活することができます。
「子どもが進学を控えている」「配偶者の退職・転勤が難しい」などの事情がある場合、単身赴任が有効な選択肢となるでしょう。

また家の管理は、離れて暮らす家族に任せることができます。
空き家のまま所有するときほど、家の管理を気にすることはないでしょう。

単身赴任をするデメリット

一方で単身赴任には、以下のデメリットがあります。

  • 家族と離れて暮らすことになる
  • 住居費が二重にかかる

単身赴任を選択すると、家族とは異なる拠点で生活をすることになります。
一緒に過ごす時間が減ることで、自分自身や家族がストレスを感じてしまうかもしれません。

また赴任先の住居費と家族の住居費が2重でかかることになるため、家計を大幅に圧迫してしまう可能性があります。

勤務先によっては、単身赴任をする従業員のために家賃補助を支給するケースがあります。
単身赴任を検討しているのであれば、勤務先の就業規定を確認してみると良いでしょう。

転勤時に家を高く売却する方法

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最後に転勤時に家を高値で売却するために知っておきたいポイントをみていきましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼する

家を売却する際は、不動産会社に査定を依頼し、それをもとに売出価格を設定します。
周辺の価格相場をもとに売出価格を適切に設定しなければ、家が売れ残ったり安値で買い叩かれたりする可能性があります。

ひとつの不動産会社に査定をしてもらうだけでは、相場にもとづいた適正な査定結果であるかどうかが判断できません。

そのため家を売却するときは、複数の不動産会社に査定を依頼して価格相場を把握することが大切です。

不動産売却に強い不動産会社に相談する

家を売却するときは、不動産会社に買主を探してもらうのが一般的です。

限られた期間で自宅を高く売却できるかどうかは、不動産会社の実力にかかっていると言っても過言ではありません。

そのため家を売却する際は、不動産会社の売却実績を確認して信頼できる1社に仲介を依頼することをおすすめします。

専任媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶ

仲介を依頼する不動産会社が決まった場合、媒介契約を結びます。
媒介契約は「一般媒介契約」「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」の3種類です。

このうち専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社としか契約を結べませんが、その分不動産会社は売却活動に力を入れてくれる傾向にあります。

家を売却する際は、信頼できる不動産会社と専任媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶと良いでしょう。

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【まとめ】転勤が決まったら早めに不動産会社に相談しよう

持ち家がある状態で転勤が決まったとき、単身赴任をすると家族には引き続き家に住んでもらうことができます。

一方で1年や2年で戻ってくる可能性があるのなら、空き家のまま所有するのも方法のひとつです。
転勤の期間が3年を超えており、かつ家があるエリアに賃貸需要がある場合は、賃貸に出すことで家賃収入を得られる可能性があります。

ただし転勤の期間が不明確なのであれば、売却を検討するのがいいでしょう。
家を売却する場合は、複数の不動産会社に査定を依頼し、信頼できる1社と専任媒介契約または専属専任媒介契約を結ぶことをおすすめします。
(執筆者:品木 彰)

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