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机上査定とは?訪問査定との違いや依頼すると良いケースをわかりやすく解説

机上査定とは、不動産会社が売却予定の不動産を訪問せずにデータのみで価格を査定する方法です。
実際に不動産を訪問して査定する「訪問査定」と比較して、売却価格の目安を手軽に知ることができる一方で、査定の精度は劣る傾向にあります。

本記事では、机上査定の際に参考にされるデータの例や訪問査定との違い、机上査定が向いているケースなどをわかりやすく解説します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

机上査定とはデータをもとに想定価格を算出する査定方法

机上査定

机上査定とは、不動産を見ないでデータを用いて査定する方法であり「簡易査定」ともいわれます。

査定の際に用いられるデータの例は、以下のとおりです。

  • 過去の成約価格
  • 現在販売中の物件の価格
  • 不動産市場の動向 など

成約価格とは、売主と買主のあいだで売買が成立したときの価格です。
机上査定では、築年数や立地、面積などの条件が類似している不動産の成約事例や成約価格が調査されるのが一般的です。
条件の類似した物件の成約事例が多いほど、より正確な査定額を算出できます。

また同じマンション内の物件や近隣の物件などの販売価格も、査定結果に影響する主な要素です。

さらに、立地や築年数などの条件が同じであっても、不動産市場の動向によって成約価格は変わります。
そのため机上査定で査定額を算出する際は、エリアの人口の推移などから考えられる今後の不動産市況も加味されます。

机上査定と訪問査定の違い

机上査定

訪問査定は、過去の成約価格や現在販売されている物件の価格などのデータに加えて、不動産会社による現地調査も行い査定をする方法です。

訪問査定と机上査定は、以下の点が異なります。

机上査定 訪問査定
査定結果が出る早さ 数時間〜1日程度 3〜4日
書類の提出 不要 必要
査定の精度 低い 高い

机上査定の場合、現地を調査せずにデータのみで物件が査定されるため、短時間で査定結果がわかることもあります。

それに対して訪問査定は、不動産会社が現地を訪問して査定をするため、日当たりや建物の劣化状況、騒音なども考慮されます。
そのため机上査定よりも時間はかかりますが、精度の高い査定が期待できるでしょう。

また机上査定を依頼するときに書類の提出は求められませんが、訪問査定を依頼する際は登記事項証明書や測量図などの書類が必要となる点が異なります。

一方で机上査定と訪問査定は、どちらも無料で依頼できる点は共通しています。

机上査定のメリットとデメリット

机上査定

続いて机上査定のメリットとデメリットをみていきましょう。

机上査定のメリット

机上査定のメリットは、以下のとおりです。

  • 査定結果が短時間でわかる
  • 依頼の手間がかからない

机上査定の場合、査定を依頼すると不動産会社によっては数時間で査定結果がわかります。

また机上査定では、不動産に関する情報と、依頼主の情報を入力するだけで査定を依頼できます。
査定を依頼する際に、書類の提出は必要ありません。

そのためすぐに査定結果を知りたい人や短期間で複数の不動産会社に物件の査定を依頼したい人は、机上査定を依頼すると良いでしょう。

机上査定のデメリット

机上査定の主なデメリットは、訪問査定よりも査定の制度が低い傾向にある点です。

机上査定は実際に物件を見て査定するのではなく、過去の成約価格や現在販売されている物件の価格、不動産の市況などをもとに算出します。

訪問査定とは異なり、建物の劣化状況や日当たり、生活音などは考慮されないため、正確な査定額を算出できないことがあります。

実際の売却価格により近い査定結果を知りたいのであれば、訪問査定を依頼しましょう。

机上査定を活用できるケースの例

机上査定

机上査定は、以下のようなケースで活用できます。

  • 不動産の売却が確定していないとき
  • 査定してもらいたい物件が遠方にあるとき
  • 初めて不動産を売却するとき
  • 内密に不動産を売却したいとき

不動産の売却が確定していないとき

不動産の売却が決まっていない場合は、机上査定を依頼して査定結果を確認したうえで売却すべきかどうかを判断するのも方法の1つです。

机上査定と訪問査定では精度は異なるものの、実際の査定結果に大きな差が出ることはあまりありません。
そのため机上査定の結果は、不動産の売却を検討する際の充分な判断材料になりうるといえます。

査定してもらいたい物件が遠方にあるとき

机上査定では、住まいから離れた場所にある不動産の査定を依頼することも可能です。

例えば自宅から離れた場所に所有している投資用の賃貸マンションが、いくらで売れるのかを知りたいときは机上査定を利用すると良いでしょう。

また相続したものの現在は誰も住んでいない実家の予想売却価格も、机上査定で調べることが可能です。

初めて不動産売却をするとき

机上査定は、インターネットに接続できる環境があれば、手軽に依頼できます。
査定結果は電話やメールなどで通知されるため、初めて不動産を売却する方でも依頼しやすいです。

不動産を売却した経験がなく、最初から不動産会社と対面でやりとりをすることに抵抗がある方は、まず机上査定を依頼すると良いでしょう。

机上査定を通じて不動産会社とやりとりをし、慣れてきたら訪問査定を依頼するのも1つの方法です。

内密に不動産を売却したいとき

「離婚を予定している」「住宅ローンの返済が苦しくなった」などの事情により、不動産の売却活動を内密に進めたいという方は少なくありません。

訪問査定を依頼すると、不動産会社の担当者が自宅に訪問するため、近隣の住民に不動産の売却を検討していることを知られてしまう恐れがあります。

その点机上査定であれば、不動産会社の訪問はなく、電話やメールなどで査定結果を知ることが可能です。

近隣住民に知られることなく不動産を売却したい人は、机上査定を依頼すると良いでしょう。

机上査定を依頼する手順

机上査定

机上査定を依頼する際の手順は、以下のとおりです。

  1. 必要な情報を入力する
  2. 不動産会社から査定結果が送られてくる

必要な情報を入力する

机上査定を依頼するときは、依頼したい不動産会社のホームページから、査定サービスのページにアクセスして必要な情報を入力します。
依頼をするときに入力する情報の例は、以下のとおりです。

必要な情報の例
物件の情報 ・種類(土地・戸建住宅・マンションなど)
・所在地
・築年数
・建物と土地の面積
・間取り
・売却希望価格 など
個人の情報 ・氏名
・年齢
・住所
・メールアドレス
・電話番号 など

上記はあくまで一例であり、入力を求められる情報は不動産会社によって異なります。

不動産会社から査定結果が送られてくる

机上査定を依頼すると、メールや電話などで査定結果が送られてきます。
不動産会社によっては、査定結果や算出根拠などが記載された査定書を送付してくれることがあります。

査定結果の連絡方法や結果がわかるまでにかかる期間は、不動産会社によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

机上査定の必要書類

机上査定

机上査定を依頼する際、物件の間取りや面積、築年数などの情報を入力するだけで査定を依頼できるため基本的には書類の提出は求められません。

ただし情報の入力のために、以下のような書類が手元にあるとスムーズでしょう。

  • 登記事項証明書
  • 公図・測量図
  • 建物の図面
  • 購入時の図面や資料 など

一方の訪問査定では、以下の書類の提出を求められるのが一般的です。

  • 登記事項証明書
  • 公図・測量図
  • 建物の図面
  • 購入時の図面や資料
  • 身分証明書
  • 印鑑証明書
  • 登記済証又は登記識別情報
  • 購入時の図面や資料固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
  • 管理費や修繕積立金等がわかる資料(マンションの場合)
  • 管理規約(マンションの場合)

必要書類は不動産会社によって異なるため、訪問査定を依頼する前に確認し、スケジュールに余裕を持って収集を開始しましょう。

【まとめ】不動産を売却する際は机上査定を活用しよう

机上査定は、過去の成約価格や販売されている物件の価格、不動産の市況などのデータをもとに査定額を算出する方法です。

不動産会社のホームページなどから手軽に依頼できる机上査定は、早ければ数時間で査定結果が分かります。

一方で日当たりや建物の劣化状況などは考慮されないため、査定の精度は訪問査定よりも劣るといわれています。
より正確な査定結果を知りたい場合は、不動産会社に訪問査定を依頼すると良いでしょう。
(執筆者:品木 彰)

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