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マンション売却価格の推移は?築年数ごとの価格や今後どうなるのかも解説

マンションを売却するときは、誰もが「できるだけ高値で売りたい」と思うものです。

マンション価格がもっとも高いタイミングを狙って売却するのは難しいですが、売却価格の推移や今後の動向を押さえると売り時を判断しやすくなります。

本記事では、マンション価格の推移や築年数ごとの価格、上昇傾向にある理由などを解説します。

遠鉄の不動産・中遠売買ブロック長 岸本 圭祐(きしもと けいすけ)


宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、カラーコーディネーター、ファイナンシャルプランナー3級

【2025年最新】マンション価格の推移

国土交通省の調査によると、2010年における不動産価格の平均を100としたときの価格推移は以下のとおりです。

※出典:国土交通省「不動産価格指数(令和6年10月・令和6年第3四半期分)

戸建て住宅や住宅地に比べて、マンション価格の上昇幅はとくに高いことが見て取れます。

2010年の平均価格を100とすると、2024年のマンション価格指数は206.9であるため、14年で2倍以上の価格に上昇していることになります。

築年数ごとの中古マンション価格の推移

続いて、築年数によるマンション価格の変化をみていきましょう。

東日本不動産流通機構の調査によると、2023年1〜12月に成約した中古マンションの築年数ごとの平均価格は以下のとおりです。

築年数 価格(万円) 減少率(%)
築0~5年 7,077
築6~10年 6,655 5.96
築11~15年 5,932 10.86
築16~20年 5,509 7.13
築21~25年 4,887 11.29
築26~30年 3,344 31.57
築31~35年 2,303 31.13
築36~40年 2,672 ▲16.02
築41年~ 2,260 15.42

※出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た不動産流通市場(2023年)

築35年までは、築年数の経過とともにマンション価格が下がっていることがわかります。

築10年以内のマンションは、築浅で人気があり、設備の劣化が少ないため、新築時に近い価格で売却しやすいでしょう。

築11〜20年になると、建物や設備の劣化により築浅よりも手頃な価格で売却される傾向にありますが、売れなくなるわけではありません。

とくに「大規模修繕済みであり共用部分が良好な状態である」「立地が良い」などに該当するマンションは、一定の需要が期待できるでしょう。

築21〜35年になると価格は大きく下がりますが、立地や管理状態などが良ければリフォームやリノベーションを前提としている人に購入してもらえる可能性があります。

築36~40年になると一転して価格が上昇し、築41年で再び築31~35年と同じ水準まで下がっています。

マンション価格は築35年あたりで底値となるといえるでしょう。

東京・大阪などエリアごとの価格推移

マンションの価格推移はエリアによっても異なります。

まずは首都圏、近畿圏、中部圏の中古マンション価格の推移をみていきましょう。

※出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構近畿圏不動産流通機構中部圏不動産流通機構のデータをもとに筆者作成

いずれのエリアも中古マンション価格は一貫して上昇傾向にあり、とくに首都圏の伸びが際立っています。

続いて、各都市圏に属する都府県を2つずつ選び、それぞれの中古マンション価格の推移をご紹介します。

東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、愛知県、静岡県の価格の推移は以下のとおりです。

※出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構近畿圏不動産流通機構中部圏不動産流通機構のデータをもとに筆者作成

東京都は一貫してもっとも高水準で推移しており、2013年の3,000万円台から右肩上がりに上昇して2023年には6,000万円近くにまで達しました。

東京は日本の首都であり、政治の中枢や企業の本社、有名大学などがあり人が集まりやすいため、マンション価格も高い水準で上昇したと考えられます。

他のエリアについては、緩やかな上昇、または近年は高値のまま横ばい傾向が見られます。
東京都ほど急激ではないものの、いずれのエリアも中古マンションの価格は伸びているといえます。

中古マンション価格が上昇傾向にある5つの要因

中古マンション価格が上昇傾向にあるのは、建築コストの高騰や新築マンションの供給減少、低金利な住宅ローンなどが要因です。
それぞれの要因がマンション価格にどのように影響しているのかを解説します。

建築コストの高騰

近年は、インフレや円安、人手不足などさまざまな要因が重なり、建築資材の価格や人件費が上昇したことで、新築マンションの建築コストが高騰しています。

一般財団法人建設物価調査会によると、2015年における建設資材物価の平均を100とした場合、2024年の建設部門は137.2という結果でした。

建設資材物価の推移については以下のグラフをご覧ください。

※出典:一般財団法人建設物価調査会「建設物価建設資材物価指数

建築資材の価格や人件費などが高騰するとマンション1棟あたりの建築コストが大幅に引き上がり、新築マンション価格が上昇します。

その結果、新築マンションに手が届かなくなった層が増え、中古マンションの需要が高まったことで、新築・中古ともに価格が上昇したと考えられます。

新築マンションの供給減少

新築マンションの供給戸数が減少していることも価格上昇の主な要因です。

株式会社不動産経済研究所の調査によると、首都圏で2024年に発売された新築マンションの数は以下のとおりです。

  • 首都圏:23,003戸(△14.4%)
  • 東京23区:8,275戸(△30.5%)
  • 東京都下:2,041戸(△10.0%)
  • 神奈川県:4,917戸(△17.5%)
  • 埼玉県:3,313戸(9.3%)
  • 千葉県:4,457戸(20.4%)

※出典:株式会社不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2024年のまとめ

首都圏の新築マンションの供給戸数は前年から14.4%減少し、1973年以降では過去最少となりました。
とくに、東京23区の供給戸数は前年から30%以上も減少しています。

新築マンション供給戸数が減少した背景にあるのは、土地不足や地価の高騰などです。

新築マンションの供給戸数が減ると、限られた物件をめぐる競争が起こりやすくなり、一部の購入希望者は中古マンションに流れます。

その結果、中古マンションの需要が高まり価格が上昇したと考えられます。

海外投資家の需要増加

近年の日本では円安が進んでおり、その影響で海外投資家から見たときのマンション価格は割安となりました。

とくに、東京や大阪などの都市圏では、高級マンションを中心に海外投資家からの需要が高まり、盛んに取引されています。

その影響により、都心部を中心にマンション価格は上昇傾向にあります。

低金利な住宅ローン

日本の中央銀行である日本銀行(日銀)は、長らく大規模な金融緩和政策を実施しており、その影響により、住宅ローン金利も非常に低い水準で推移していました。

とくに変動金利型の住宅ローンは、2023年ごろに年0.3〜0.4%台と底値ともいえる水準にまで下がりました。

低金利の住宅ローンを組めると、月々の返済負担が軽減されるため、住宅を購入しやすくなります。

住宅ローン金利が歴史的な低水準となったために「今のうちにマンションを買おう」と考える人が増えたことで、マンション価格が押し上げられたと考えられます。

また、住宅ローンを組んだ人は「住宅ローン控除」を受けられると、最長13年にわたり所得税や一部の住民税が軽減されることも、マンションの需要が増加する一因といえます。

いつ下落する?今後のマンション価格

マンション価格の今後を予測するのは困難ですが、下落する要因はいくつかあります。

マンション価格に影響する可能性がある2つの要因

1つ目の要因は「政策金利の引き上げ」です。

2024年3月に日銀は、長らく実施していたマイナス金利政策を解除し、政策金利を0〜1%に引き上げました。
また同年7月には0.25%、翌2025年1月には0.5%にまで引き上げられています。

政策金利の上昇を受け、金融機関のほとんどは変動型の住宅ローン金利を引き上げました。
住宅ローン金利が上昇すると、毎月の返済負担が増加し、マンション需要の減退と価格下落につながる可能性があります。

2つ目の下落要因は「2025年問題」です。

これは、2025年に団塊世代のすべてが75歳以上の後期高齢者となることで日本経済や社会などに深刻な影響を及ぼす問題のことです。

2025年問題により、亡くなったり施設に入居したりする高齢者が増え、空き家が増加することでマンション価格の下落につながる可能性もあります。

売却のタイミングは不動産会社とも相談して決めよう

政策金利が引き上げられたあとも、住宅ローン金利は歴史的にみれば低水準です。
また2025年問題についても、マンション価格にただちに影響はしないでしょう。

しかし、長期的にはこれらの要因がマンションの需要や価格に影響する可能性はあります。
また他の要因でマンション価格が下落する場合もあるでしょう。

マンションの価格が下がり始める直前を狙って売却するのは現実的ではありません。
エリアによっても価格の動向は異なるため、マンション売却のタイミングを検討する際は売却実績が豊富な不動産会社に相談することをおすすめします。

【まとめ】マンション売却価格の推移も参考にしよう

近年の中古マンション価格は、新築マンションの建設コスト増加や低金利な住宅ローンなど複数の要因が重なったことで上昇傾向にありました。

しかし、今後は住宅ローンの金利上昇や高齢者の増加、その他の要因により、下落する可能性も考えられます。

マンションの売却を検討している方は、売却実績が豊富な不動産会社に売却するタイミングを相談するとよいでしょう。
(執筆者:品木 彰)

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